大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)408 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人佐野信吉の提出した上告趣意は末尾添附の別紙書面記載の通りである。

上告趣意第一点について。

しかし、刑事訴訟法第三百六十条第二項に法律上犯罪の成立を阻却すべき原由又

は刑の加重減免の原由たる事実というのは、かかる事実があれば法律上当然犯罪の

成立を阻却し又は当然刑の加重減免をしなければならない事柄を指すのであつて、

かかる事実があるという主張がある場合は、判決においてこれに対する判断を示さ

なければならないのに反し、刑法第六十六条により犯罪の情状憫諒すべきものとし

て酌量減軽をなす場合は、裁判所の自由なる判断によつてなされる量刑の一過程に

すぎないものであつて、酌量減軽をなすに至つた判断理由を判決に示す必要なきも

のである。論旨は刑法第六十六条と刑事訴訟法第三百六十条第二項の解釈を誤つた

もので理由がない。

同第二点について、

原判決において証拠として挙示したAに対する司法警察官の聴取書によれば、A

は本件強盗について被告人と共謀したことを明言しているばかりでなく、被告人と

Aとは共に覆面して被害者方の屋内に侵入し、Aが被害者の前に立つて被害者を脅

迫しているのに対し被告人は其後ろに立つて居たのであり、Aが金品を強奪してい

る間に被告人は六畳の間の箪笥の中から衣類を奪取したというのであるから、これ

等の事実を綜合して判断しただけでもAと被告人との間に強盗の意思連絡のあつた

ことを窺い知ることができるのであるから、挙示の証拠によつて被告人はAと共謀

して本件強盗事犯を実行したものと認定したことについて経験則違背又は採証上の

違背は認められない、被告人は原審公判において共謀事実を否認しているのである

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が、原審においてはこれを措信しなかつたものであつて原判決理由に何等の齟齬は

ない。要するに論旨は原審公判の事実認定を非難することに帰するので採用し難き

ものである。

よつて刑事訴訟法第四百四十六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員の一致した意見である。

検察官十蔵寺宗雄関与

昭和二三年七月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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